2024年ロゴデザインの制作事例の紹介と振り返り
この記事は、まるみデザインファーム アドベントカレンダーに参加しています。
まるみデザインファームは、「かけだしデザイナーをひとりにしない」をコンセプトに活動するコミュニティです。
こんにちは。
ごりらデザインの村上 勝平(むらかみ しょうへい)です。
よく「かっぺいさん?」と言われますが、「しょうへい」です。
ごりらデザインと名乗ると、「あまりゴリラっぽい風貌じゃないね。なんでごりらデザインなの?」と聞かれますが、ごりらデザインです。
当事務所ではブランド構築に必要なクリエイティブの制作だけでなく、内面の深掘りやコンセプト策定もお手伝いをしています。
その中でも私個人としてはロゴ制作を中心に活動しています。
今年は埼玉から北九州への移住だけでなく、ロゴデザイナーとして初挑戦した出来事もあり、変化の多い年でした。
その一つがコンペやタイポグラフィ年鑑への応募です。
私の尊敬するロゴデザイナーであるコージィデザインの佐藤浩二さんが「お客様の満足だけでなく、自身の成長のためにもこういった賞への挑戦は必要 」といったことをSNSなどで仰っており、今年初めてタイポグラフィ年鑑やコンペに挑戦してみました。
残念ながらどれも入選には至りませんでした。
しかし、入選作と見比べて自身の至らない点や自分の実力というものがわかりとても良い経験となりました。
ということで!
この記事では2024年に制作したロゴを抜粋し、紹介をすることで今年の振り返りとしたいと思います。
目次
福井県-Webサイト制作チームのロゴ
私たちのWebサイト制作パートナーである「はちむすび」さんのロゴを制作させていただきました。
はちむすびさんは福井県を中心にWebサイト制作を行うことで、事業者の良きパートナー・伴走者として地域を盛り上げる制作チームです。
屋号の由来やお人柄から発想を膨らませていきました。
シンボルマークは数字の「8」から「無限」を連想。
また、「はちむすびとお客様」「お客様とそのお客様」が手を取り合う様子をモチーフにしています。
手を取り合う様を抽象化した形状ですが、「むすぶ」という言葉のように結び目にも見える形状となっています。
これは正直にいうと造形を作ったあとに気づいた点です。
大阪府-不動産事務所のロゴ
大阪府門真市に新規開業する際のロゴとして、「アヴニール不動産」様にお任せいただきました。
「アヴニール=Avenir」はフランス語で「未来」を意味する言葉です。
不動産仲介の仕事を通して、お客様の未来、将来をともに創造していける存在でありたいという想いから命名されました。
ヒアリングを進める中で代表の趣味にダイビングやアクアリウムで魚を見ることがあると伺いました。
その話から発想し、イニシャルの「A」と「住宅」、「サンゴ」をモチーフとしたシンボルマークとしました。
サンゴと魚の共生関係のように、お客様の未来・将来をともに創造していきたいというビジョンを表すロゴとなりました。
シンボル下部に魚のシルエットが隠れています。パターン展開で魚に目を入れる案もご提案しました。
目が入るとさらに親しみが湧くデザインとなりますね。
大阪市住之江区-保育園2園のロゴ
大阪市住之江区にある住之江保育園・第二住之江保育園のロゴです。
多様性のある子ども達、その無限の可能性から変幻自在なスライムを想起し、モチーフにしました。
全体のシルエットはイニシャルの「S」を象っています。
ロゴタイプは利き手と逆の左手で書き、園児が書いたような質感と可読性を保つギリギリの形状で作成しました。
弾む様な文字の配置は、園児の活発さを思い起こします。
ブランドカラーのブルーは、「江」→「海の近く」の意から、園の位置する住之江区が接する大阪湾をイメージしています。
対して第2住之江保育園ピンクは、園のシンボルツリーである「桜」から。
園の関係者や保護者、地域の人はもとより、園児自身にも園のマークとして認識し、愛着をもってほしい考え、園児自身でも簡単に書くことができるような造形としました。
福岡市-キャリアコンサルタントのロゴ
福岡市で企業の人材定着や採用支援を行うキャリアコンサルタント「AICARA」様のロゴです。
法人化を見据えたネーミングとロゴの作成をご相談いただきました。
ネーミングは知人のライターにサブコピーと合わせて依頼しましたが、打ち合わせに同席し過程を見させていただきました。
「いい人材も、いい仕事も、いい組織も、すべて“愛から”生まれていく」
サブコピーに込められたように、いい企業のすべては“愛から”始まっていくことに共感しました。
そして、”愛”とは人の心が生みだすものです。
そこで、シンボルマークは、「心」の漢字をシンボライズしたものを上下で2つ重ねあわせた形状です。
「AICARA」と「企業、経営者」
「企業、経営者」と「個人」
が「心」から向き合い、良い変化を波及させていくといった意味が込められています。
ロゴタイプにはシンボルマークの要素を入れ、文字単体での使用時にも「AICARA」を想起させることができるようにしました。
大阪市淀川区-保育園のロゴ
大阪市にある歴史のある「淀川ベビー保育園」のロゴです。
園長先生の「他園では、イベントなども多くあるため年長さんが主役となりがち。当園では全年齢が主役。自主性を重んじ、行事も決まったものが無く、担任がその年の子ども達を見て決める」という話が印象的でした。
そのお話から、シンボルは全ての組の名前の動物をモチーフにしています。
顔を全て書くのではなく最小限の特徴と用いて簡略的に書くことで、多くの動物の要素で散らかった印象にならないように留意しました。
淡い色味と水彩風のタッチとすることで、やさしい印象となるようにしています。
ロゴタイプはノスタルジックな印象の書体を選定しアレンジしています。
「保育園」の漢字に、それぞれ「保=○」「育=△」「園=□」と図形が入っており、保育理念である「さまざまな形=子どもの特色に合わせた保育」を示しています。
組の動物たちは個別のデータとしてお渡しし、イベントや室名札にも使用できるようにしました。
秋田県-Webサイト制作スタジオのロゴ
Co-ncent(コンセント)は秋田県能代市でWeb制作を中心に、地方で旗を立てる人や企業の課題解決をサポートを行うスタジオです。
屋号の由来は家電を指す「コンセント」から
「沢山の人とつながる、人と人とをつなげる、そこから何かを生み出す。」
「Co-は”共に”という意味をつける接頭辞」
といった想いから名付けたそうです。
シンボルは「C」「コンセント」「対話を示す吹き出し」の三つの要素で構成しています。
対話を重んじ、人と地域をつなぐ活動をする代表の想いをカタチにしました。
日常的に使う言葉が屋号であるため、「あのマークの人or会社だ!」と記憶に残るように、「コンセント」の具象的なイメージが強めになるように留意しました。
福岡県北九州市-法律事務所のロゴ
福岡県北九州市で今年10月に開業された法律事務所のロゴです。
ロゴをはじめ、ホームページ制作・名刺・事務所カード・カッティングシート制作と施工・封筒とトータルデザインをお任せいただきました。
弁護士という仕事柄、堅く見られがちであり親しみやすさや安心感を与えるロゴをご希望でした。
シンボルマークは、ひらがなの「あ」をモチーフに共に解決を目指すことを意味する「&」を組み込みました。
全体のシルエットはご縁や人のつながりを意味するリボンをイメージしています。曲線の多いデザインのため、親しみやすさを強く感じさせます。
ロゴタイプはセリフ体をベースに可読性の高いものとし、シンボルに合わせて「あの」はひらがなとし統一感をもたせています。
これは余談ですが、ご希望もあり当初カラーは暖色系をご提案していました。
打ち合わせを進める中で緑基調となり、現在のロゴとなりました。
2色の緑にもそれぞれ意味が込められています。
緑となったことで当初のリボンのイメージではなく、「四葉のクローバー」を連想するというお言葉もいただきました。
福岡県北九州市-保育園創立記念ロゴ
福岡県北九州市にある金田保育園の50周年記念ロゴです。金田保育園は来年2025年に50周年を迎えます。
記念ロゴと記念パンフレット制作、グッズ展開としてランチバックの制作をご依頼いただきました。
数年前の園舎の建て替え以前から、シンボルツリーとして子ども達の成長を見守ってきた桜の木から、「さくらと友に 50年」をコピーとされていました。
シンボルは、50の「0」部分に「友」の字と桜の花びらのモチーフを組み込みました。
まとめ
今年デザインしたロゴをいくつか抜粋してみました!
こうして見返してみると、親しみを感じる。可愛らしいデザインを多く作った年だったと思います。
なぜかそうした「親しみやすさ」を重視してほしいという依頼が多くありました。
※保育園関連のお仕事のご縁が重なったこともあると思います。実際、諸事情で公開していない事例にはクールな印象のものもあります。
現在、とある会社様のロゴをご依頼いただいておりますが、「硬すぎず柔らかな印象。親しみや遊び心を感じるテイスト」をご希望されています。
今の風潮として、親しみやすさを求める声が多いのだと思います。
もちろん、お客さまが「親しみ重視で!」といったから全てそうするわけではないです!
ヒアリングした結果、「(親しみに振り切りすぎない方が良さそう!)」と思った場合はご提案をすることも多くあります。
(親しみやすさと一言でいっても程度は様々なのでポジショニングマップなどで確認したりもします)
提案の際にはお客さまから「どれも良くて選びきれない!」といった声をたくさんいただくことができました。
そのお言葉に喜びを感じ、励みにもなっています。
しかし、より高いクオリティーでクリエイティブを提供できるように冒頭のようなコンペ・タイポグラフィ年鑑などへの挑戦は続けていきたいと思います。
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